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日々の雑感と出来事を綴ります。LGBTQ関連が多いかも☆

この二人を好きな理由

 
“この二人”とは、Ellen DeGeneresとPortia de Rossiのことである。


以前の記事で紹介したこともある、トークショーホストのEllen DeGeneresと女優のPortia de Rossiは結婚して11年経つ女性の同性カップルだ。


saysomething.hatenablog.com


私は、このカップルが大好きだ。
そもそも、この二人は別々に活躍していて、私は留学してアメリカにいた当時からどちらも好きだったのだ。


アメリカに来て少し経った頃、Ellenがカムアウトした。1997年だったかな?
これはかなり大きなニュースになった。

私は興味を惹かれ、そもそも彼女のことをよく知らず、番組もほとんど見ていなかったが、少しだけ見るようになった。彼女が特集になっている雑誌も買い、それはいまだに持っている。

Portiaは、逆にやたらと気になる女優だった。
Ally McBealという法廷ドラマ(コメディ)に、シーズン2から仕事ができるブロンド女性という役で登場したのだ。
ドラマの中では言うことはきついし、顔も美人だけど、ものすごい好みというわけではなかった。それなのに、なぜか気になってしょうがなかった。

当時、私は彼女が気になって仕方ないこと自体気づいていなかった。ただドラマが面白かったので見ていたのだと思っていた。(実際、途中まではおもしろかった)

恐らくだけど、彼女からは、アメリカでは当たり前な(やらないと消極的とみなされる?)自分を前に前に出し、自信を持って堂々と振る舞うということを感じられなかったからではないかと思う。

演技の中においても、間を感じるというか、他の人とは違う何かを感じたのだ。(超抽象的表現でスミマセン)

Portia de Rossiは私の好きな女優のひとりとなった。

もちろん、その時は彼女がゲイであるとは全く知らなかった。彼女は完全にクローゼットだった。

余談だが、Ally MacBealはシーズンを重ねるごとにつまらなくなり、見ることが少なくなったかわりに、Practiceというシリアスな法廷ドラマを見るようになった。


さて、カムアウトしたEllenはパッとしなかった。
番組も打ち切りになるし、カムアウトしたことで仕事が来なくなったのでは?という記事も散見されるようになった。

そういう記事を読むと、心がチクチクした。

ガールフレンドのアン ヘッシュとは別れてしまうし、なんだか人生でつらいステージにいるのではないかと勝手に思っていた。

カムアウトしたあとのEllenについての記事には、当時とても大変だった様子が書かれている。


logmi.jp


あの時代によくやったものだ。彼女は本当にすごい。称賛どころか崇めてもいいレベルだ。


パッとしないと思っていたEllenは、私が帰国して数年経った頃から再び勢いを取り戻し、自身のトークショーは大人気、エミー賞など数々の賞を受賞する。そして、アカデミー賞の司会を複数回任されるなど、押しも押されぬ人気司会者となった。

ちなみに彼女が人気な理由は面白いからだけでなく、「人を傷つけない」笑いを取れるからだと思われる。
子どもから大人まで、全国民が見るような番組でも安心して任せられる司会者である。

信念をもって失うことを恐れずに行動したEllenの勇気と努力に尊敬が集まるのは当然のことである。


Ellenが人気を回復し出したのと同じ頃、仰天するようなニュースをネットで読んだ。

Portiaがゲイだとカムアウトしたという。
本当に!?あの人が?
私は腰を抜かすほど驚いた。全くそのように見えなかったから本当にびっくりしたのだ。

と同時に、嬉しかったし、なんとなく私が彼女を好きだった理由がわかった。
ゲイだったからというより、それに起因する何かを抱えている、それでも強く生きていこうとしている力を持っていることがスクリーンを通して見えていたのだと思う。

オーストラリア出身のPortiaは、いわゆるアメリカ的な人ではなかった。内向的で、人の目を気にするタイプだとインタビューで語っている。


私はなぜか、内向的な人に惹かれる。

アメリカのエンタメで活躍している人は外向的でアグレッシブな人が多いと思うが、Portiaのインタビューを見ていると、喋りもそんなに上手くないし、見守りたくなってしまうような表情をしているときがある。


Youtubeで見たインタビューで、PortiaはEllenのことをこう語っている。

強くなるにはタフでいること、自立することは誰も必要としないことだと思っていた。
でも彼女(エレン)は、自分がより弱く優しいほど、自分の人生と心により他人を受け入れるほど、より幸せで価値ある人間になれるんだと教えてくれた。
Ellenは、私の人生に対する見方を完全に変えてしまった。彼女は他人が自分をどう見てるのかを気にしないようにしてくれた。正直なところまだがんばっているところだけど…
彼女は、わたしがわたしであることがそれだけでもう十分だということ、それ以上の何者にもなる必要はないことを教えてくれた。

How Ellen Helped Portia Find Strength
www.youtube.com


このビデオを見て、私はもらい泣きをするくらい感動してしまった。

まわりを気にして自分を殺して生きるということがどれほど苦しいか。
感受性が高い人ほどつらいだろう。

特にモデルで女優のPortiaは、多くの目に晒される職業でもあり、環境的には厳しかったはずだ。
摂食障害も患い、非常に繊細な人なのだろうと簡単にわかる。

そんなPortiaを、Ellenは救ったのだ。


Portiaのカミングアウトと同時に、EllenとPortiaが付き合っているという記事を読んだときは、さらに驚いた。

マジで⁉️という反応が最初に出てきた。
この二人、どうなんだろう?なんだか意外だなというのが最初の印象。

しかしその印象を打ち消すお似合いぶりはご存知の通り。
結婚してもう11年になる。

Ellenの強さとPortiaの複雑な内面がきっと補い合ったのだろう。


彼女たちが強い絆で結ばれていることはいろんなビデオやインタビューを見ればわかる。

Ellenの60歳の誕生日にPortiaが贈ったプレゼントも素晴らしい。

ルワンダにゴリラ保護のための研究施設とEllenの名を冠した基金を設立したのだ。
激しい内戦で破壊されたダイアン フォッシー ファンドのキャンプをまずは作ることを目的として。
Ellenが子供のころから尊敬していたという、マウンテンゴリラの研究と保護活動で有名なダイアン フォッシー(Dian Fossey、霊長類学者)の功績を取り戻し、さらに拡大する“機会”をポーシャは贈ったのだった。

theellenfund.org


密漁が多い絶滅寸前のマウンテンゴリラの保護活動と現地の雇用を創出するこのプロジェクトには、多くの寄付が集まり、順調に稼働している。
過激な環境保護団体ではなく、明らかに真の動物保護の目的で動いていることがわかるね。


相手をよく理解し、一番喜ぶものを自分しかできないこんな形で贈るなんて。
Portiaあんたもすごいよ。

そして財力とそれを実行するパワーが半端ないね!
お金がある人ができる良いことの最高峰。とてもいい使い方です👍


それにしても、Ellenがこの時点で60歳だということにびっくりした。とてもそう見えない。歩き方とか、頭の回転とか、若すぎるよ。
今は61歳。
ちなみにEllen61歳の誕生日にはキッチンウェアをプレゼントしたそうだ。昨年との落差に笑う😁


いやー、本当に素敵なカップルだね。

みんな見てみて!いつも楽しそうだし幸せそうだし。
苦しいことを乗り越えた人たちの姿は私たちを勇気づけてくれる。


最後に、Ellenが自分の番組で、Portiaと結婚することを宣言したときのビデオを紹介しよう。

聞いた瞬間、心の底から祝福の気持ちが沸き上がるはずだ。

www.youtube.com


私は、おーっ!と叫んでビデオの中の観客と一緒に拍手してしまったよ。
すでに結婚している人の昔のビデオなのに。


もうほんとに好きです、この二人♥️
夢と勇気と幸せをくれる存在だね。
ありがとう、Ellen & Portia !!



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