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日々の雑感と出来事を綴ります。LGBTQ関連が多いかも☆

初めての彼女


私が初めて女性とお付き合いしたのは、22歳のときだった。もう20年以上前の話になる。

それまで散々たくさんの女の子を好きになったけれど、みんな彼氏や好きな人がいたり、そもそも女性と付き合えるとは思っていなかった。

あの時代に、女の子が好きな女の子は、私のまわりには一人もいなかった。
正確には、私も含め誰もカミングアウトなんかしていなかった。

女の子が好きな思いを抱えながらも、男の人からのお誘いはあるし、付き合ったら好きになるかもしれないという(儚い)希望をもって付き合ったりもした。

でもね、やっぱりだめだった。

私は、年をとるにつれてどんどん同性愛度を増していった。
そして22歳のときに、予想もしない形で女性の恋人ができたのである。


私はアメリカの大学に留学していて、途中で中西部の大学に移り、また元いた大学に戻ってきた。
その戻ってきたばかりのときにとった授業のひとつが、Gay(Queer) Studiesだった。
LGBTQのことを学ぶクラスである。

こんなクラスあるのかよ!?と思うよね。あの頃(20年以上前)結構さきがけだったかもしれない。

おもしろそうだと思い登録して、初めての授業で後ろに座った女性が、後に付き合うことになった人だった。

教授は完全におネエで、服装は志茂田景樹を薄めたような感じの人だった。
だがそんなことは百も承知でみんなクラスをとっている。大学側だって「相応しくない」なんて野暮なことは言わない。何のためのゲイスタディーだ?ダイバーシティーは日本でも今叫ばれているが、移民国家の本家では何十年も前からの課題なのだ。

さて、初めての授業では、生徒たちの自己紹介と、なぜこのクラスをとったかの理由を一人ずつ述べさせられた。

クラスは20人くらいいたような気がする。
その中で、自分が当事者だからと説明した人は一人を除いていなかった。
こりゃあ何人かは言えないでいるままだな。そんな空気を感じた。

唯一当事者であると言った人は ……… 私だった。

いま考えるとよく言ったわと思う。
クラスの雰囲気がそうさせたのだろうが、他に言える理由がなかったのだ。

後ろに座っていた女性とは世間話をしていたが、どう見たってアメリカンでない私のバックグラウンドの質問になる。
日本からきたこと、ジュニア(3年生)であること、なぜアメリカで勉強しているのか、卒業後はどうするのか、いま住んでいる場所など…。

戻ってきたばかりで寂しかった私は、気が合いそうな友人を見つけた!と思った。

彼女は私よりも3歳年上で、人種としてはベトナム人と中国人のハーフだった。
見た目は当たり前だが、完全なアジア人。親が、というか、彼女が10歳くらいのときに一家で移民としてアメリカにやってきたという。


彼女はquestioningながらも、自分が女性に惹かれていることを自覚していたという。認めたくない、でも知りたいという思いであのクラスに登録したそうだ。もちろん、あの自己紹介で正直にそんなことは言っていない。


私たちは友達になった。
優しくてちょっと抜けている彼女といると楽しくて、癒される気持ちになった。
彼女は、だんだんと私の心の拠り所になっていった。

決して裕福ではない家庭で、働きながら大学に通っている彼女とは共通点もあった。

妹と兄がいて、兄とはあまり仲がよくない。人に興味があって、将来、人事的な仕事をしてみたいことも一致していた。

私は、話が上手な彼女をどんどん好きになっていき、家にもたくさん遊びに行っていた。

でも、彼女とどうにかなりたいとか、私のことをどう思っているのかなんて気にする余裕はなかった。


ある日、彼女が私に聞いてきた。
「私のことどう思う?」

えー…なんだよ、なんて言えばいいんだろう?私の気持ちを知ってて自分は違うんだということをはっきりさせたいのか、それとも何か期待してるのか…。
よくわからなかった。

だから「あなたのことは好きだよ」と答えた。
しかし、それはlikeなの?loveじゃないの?どっちなの?友達として?と、ぐいぐい来る。

なんかおかしいぞ?と思いながら、自分の気持ちをもぞもぞと伝えた。
「私はあなたのことが好き(love)だし、特別な存在だと思っている」と。

そうしたら彼女は、自分もポーシャのことを気になりかけている、一緒にいたい人だと言ってくれたのだ。

嬉しかったが、まだ、気持ちが完全でない、膨らみかけていた頃に、私に言わせたわけだ。
おいおい、ずるいゾ!と思ったが、私は彼女のペースに巻き込まれてハートをやられてしまった。


そして、彼女はこう言った。
“Do you want to hug me? and .............. kiss me....?”

そっか。そうしてもらいたいんだ。
いつもは受け身の私も、彼女の誘うようなことばに抗えなかった。

私は、彼女を抱きしめ、I love you と囁き、ゆっくりとキスをした。


ここから、私の初めての、女性との恋愛が始まった。


(続く、かも。需要があれば)


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